ガラスは何からできている?

(最終更新:

今日もグラス底を覗いてますか?
以前から特にアクセス数の多かった「ガラスって何?」何でできているの?の三部作を纏めてお送りしたいと思います。

GLASS-LABで働くようになって様々なガラス器やガラス工芸品を目にする機会が増え、今まで以上に生活の中で目に入るガラスが気になりだし一つの疑問がわきました。

そもそもガラスっなに?
いつからあるの?何でできてるの?最初はどうやって発見したの?

弊社はガラスを生成し成型する会社ではなく、既に出来てきたガラスを削ったり切ったりと加工する会社です。(サムネイルは猿江ガラスを見学した際に撮影した写真です)
その為、私はガラスを作る工程を知らずガラスの歴史も知らない。まだまだ勉強不足です。
このままガラスはガラスであるとするのもやぶさかではありませんが一旦、当社の椎名に聞いてみました。
「何かで見たけど昔の人達が焚火をしていたら地面の方が溶け出してて、何だこれは?って思ってたら冷えて固まってガラスになったのが最初らしいよ」
かなりふんわりしている。
ドヤ顔で話すにはいまいち信憑性に欠けます。そんなこんなで調べて見ることにしました。
調べた内容をこちらに添付する事もできるのですが分かりやすい様に私の頭の中で変換した形でお伝えできればと思います。

3構成で長いブログになりますので見たい所だけ抜粋して読んで頂ければ嬉しいです。
1.ガラスの起源
2.ガラスの原材料
3.ガラスの製法の発見

ガラスの起源

ガラスが最初にできたのは紀元前3500年前あたりのメソポタミアまたは、エジプト

紀元前3500年前って言ったらとんでもない古の時代です。有名な世界遺産のエジプトのギザのピラミッドが紀元前2530年頃に建造されたと言われているので、それより1000年も前に既にガラスはあったとされています。
そしてエジプトVSメソポタミア起源論争が勃発しています。
メソ 「うちの古代都市の墓からガラス製の神様の頭部分の像見つけた~。あれ最初のガラスだと思う!」
エジ 「ないない!あの時代にガラスを像にするなんて無理無理!それ石だって!うちの所はこないだガラス玉見つけたからあれが最初のガラスだと思う」
メソ 「この間見つけた像、石じゃないかって言われたから調べたんだけど、やっぱりガラスだったわ!」
エジ 「でもあの像エ・ジ・プ・ト製らしいよ。誰かが運んだのかも。後ねうちの国の家の壁画からガラス吹いて作ってる絵が出てきてるからエジプトが最初だわ」
メソ 「え?あの絵で吹いてるの鉄でしょ」

みたいな感じでもめにもめて休戦中です。終結していません。今の所、メソポタミアが優勢になっています。現在も学者さんたちが調査中らしいので今後の展開が気になります。


メソポタミアの方は頭が大きく目が大きい中肉中背の体系

エジプトの方は切れ長の目とすらっとした体系

メソポタミア文明初期は紀元前5500~2000年頃までシュメール人といわれる民族がいたのですガラスもこの人たち作ったと言われています。そして彼らビールめっちゃ飲んでます。ビールも最初かな?って言われてます。

シュメール人、目が凄く大きい!整形いらず。写真の加工いらず。まさかの火星育ちでは?絶対強い!(漫画:テラフォーマーズの登場生物に激似)。

◆情報元
井上ひろこさんのクリスタル・アートとサンキャッチャーに関する資料の一部

ガラスの原材料

科学の時間だぜ。ガラスは化学の原点だ!ということで
漫画Dr.STONEの影響をかなり受けておりますので暖かく見守って頂けると嬉しいです。

ガラスの材料になるのは3つ
珪砂(けいしゃ)、ソーダー灰(ばい)、石灰石(せっかいせき)

◆珪砂
幼少期に砂場や砂浜で遊んだ際に砂の粒を見ると中に透明なキラキラした粒が混ざってなかったですか?あれです。
学校の水槽や水族館の水槽の下に敷いてある砂に透明なキラキラした粒がありませんでしたか?あれです。
言い方を変えるとシリカという呼び名でも呼ばれています。砂の中から採れるので今も昔も自然から採掘はできます。

◆ソーダ灰
これは炭酸ナトリウムになります。科学式はNa2CO3ですね。「水平リーベ僕の船~」の元素記号のを覚える時の語呂合わせにもあるので知ってはいる。学校の実験で使用したようなしてないような曖昧な感じの印象
これは自然の中にも採掘できる鉱石から採れる天然ソーダもありますが、海藻や植物を燃やし灰にすることによって作ることができます。
現在はソーダ灰としてできた物を買うことができます。


◆石灰石
これは炭酸カルシウムになります。科学式はCaCO3です。黒板に字を書くチョークなどもこの石灰岩からできています。
石灰石は鉱物から採ることができます。テレビに映る世界各国の岩肌などで石灰岩はよく見かけます。サンゴや貝殻などからも作られます。砂利や砂にも混ざっていますので結構身近な石です。

この3つの材料を混ぜ合わせて調合し1600度の高熱で溶解します。
ここからは型に入れて製造したり、吹きガラスとして溶かしたものを巻き付けて吹いて膨らましたりと製造方法は様々になりますが、これで冷ませば完成!

一般的なガラスの製造法についてお話しましたが現在ガラスは食器以外にもたくさんの物に使用されています。スマフォの画面や窓ガラスはもちろん、グラスファイバーとして繊維状になり強化プラスチック、断熱材、現在のネットの中心になる光回線を支えています。凄いんですガラス!

YouTubeのGENKI LABOチャンネルで元気先生が果てしないガラス作りに挑戦しています。
石からガラスをつくる!Dr.STONE実験【実験】science experiments

人類が歴史上初めて、科学で合成した人工資材。それは、ガラスだ

この台詞はアニメ版Dr.STONE11話で主人公の千空が仲間達とガラス作りをした時の台詞です。
この漫画は科学の勉強になるとても良い漫画だと思います。突然、生き物が石化していまった世界でどうやって生きていくのかというストーリー。千空が科学の力でいろい色な物を作り、生活が便利になっていく中で敵が出てきたり仲間になったり、そしてなぜ世界は石化したのかを解明するお話です。しみじみ科学って凄すぎる!ってなります。
紐や石器から始まりガラス、火薬、磁石、コーラ、発電機、携帯電話、ガソリンなどを作ったりします。科学が苦手なお子様はこれを読んで科学の勉強が楽しくなったら良いですね。
ちなみに私は科学は大の苦手です。気になる方はサブスクなどで見てください。

ガラスの製法の発見

どうやって作り方を発見したの?
これがネット迷子になる位に明確なものは出てきませんでしたが説として説明すると

偶然

この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ。
金属加工の副産物でできたんじゃないか?ファイアンス作ってる最中に出きたんじゃないか?説がありました。

ちょ待てよ。ファイアンスって何???
ファイアンス(faience)それはガラス以前のガラス質の物質・・・とは?

かわいい・・・ファイアンス・・カバ・・・
見た感じターコイズといわれるトルコ石に見えます。陶器や磁器にも見えるんですが、このファイアンスの作り方を調べると材料に粘土がなくガラスに限りなく近いのでやはりファイアンスはガラス生成の手前の物として良さそうです。

ファイアンスはエジプトで多く発見されています。当時の炉の温度では材料がドロッと溶けない。パサパサ材料をぎゅっぎゅ型に詰めこんで、乾燥、粉末、水の調節などをして土の中に埋めて火をつけ窯替わりにし型の中の材料を溶かすなど試行錯誤しながら何通りもの制作方法を経て苦労して作っていたようです。綺麗な青色は水の量や放置時間によりアルカリ物質を出した後に焼く事で青銅の物質が発色しこの色になるようです。砂漠の多いメソポタミア・エジプト地方にこの色は珍しかった為、人気でした。ですが土器や焼き物の釉をかける技術が生まれて青が簡単に出せるようになるとファイアンスは作る工程が面倒なため作られなくなって消えていきました。(現代でもたまにファイアンス作り体験などがあるようです。)

釉(うわぐすり)をかける=簡単に言うと色とコーティングができる技術のことです。陶器や焼き物は粘土を使うから焼き上がりが本当はザラザラですよね。そこに釉をかけると色もつくしテカテカになって水分を吸収しなくなるって凄い技術です。

ファイアンスについて語りすぎましたが
製法は金属加工の副産物またはファイアンスを作っている最中に偶然できたのがガラス

偶然だから理屈もない。これだと金属加工の副産物はまだしもファイアンス説の場合、何でファイアンス作る製法見つけたの?ときりがないです。

この画像の様に、この時代のガラスはガラスだと思わないほど全然透明ではないです。ガラスは贅沢品としてビーズや器などの製造が続きます。ですがメソポタミアから地中海東岸にかけて繁栄してきた青銅器時代文明が、紀元前1177年に消滅すると共にガラス製造の技術は一旦、消えていきます。

また盛り返すガラス製造技術

ここで当社代表の椎名の言っていた話がありました!思い出してみてください。
「何かで見たけど昔の人達が焚火をしていたら地面の方が溶け出してて、何だこれは?って思ってたら冷えて固まってガラスになったのが最初らしいよ」

伝説によると、硝石(火薬の元)を積載した商船がシリアに係留し、 商人達は浜辺で食事を用意したが鍋を支える石を持っていなかったので船の硝石の塊を使用した。 これが高温の火を出し浜辺の砂や海藻などが燃え溶けて交じり、透明な液体が流れた。これが現代のガラスの起源。メソポタミア・エジプト文明時代より遥か何世紀も超え進んだ技術の中でまた作られる様になったガラスは技術の進化と共にどんどん透明になります。

どうやら椎名代表が言っていたことはほぼ合っていました。すごい。
しかし火薬の元である硝石を使うとは無鉄砲過ぎて怖い。
製法を発見する点でいえばこの説が一番納得がいくと思います。

奇跡の硝子リビアンガラス

恐らく恐竜がいてもおかしくない数万年前のリビア砂漠に隕石の衝突しました。
地表が一瞬で溶解してガラスの層でリビア砂漠は覆われたと言われています。
そのガラスの層は数万年の時を経て粉々になり。砂漠の砂に紛れるガラス片として発見されます。発見から採掘、巡り巡って最終的にエジプトにたどり着きます。

隕石衝突から数万年の時を経て、そのリビア砂漠のガラスは黄金虫の形に削り磨かれツタンカーメン王の首飾りになった。そして数千年後の現代も残ってるってロマンがありますね。
しかもこのリビアンガラスまだ砂漠から見つかるらしいです。ちょっと欲しいと思ってしまいました。ですがスーパーレアなパワーストーン。やはりお高い。偽物も多いみたいなので購入の際は鑑定書付きかリビア砂漠まで探しに行ったほうが確実です。

天然のガラス黒曜石

天然のガラスといわれるものがあるのをご存じですか?
それは黒曜石です。ほぼ成分はガラスです。まさに火山が生んだガラス!
そしてこの黒曜石は昔からとても重宝されていました。それは車サイズの円形の石をお金として家族総出で転がしていたかもしれない時代に黒曜石は矢じりやナイフなどとして使われていました。日本にも黒曜石の産地はたくさんあります。作らなくてもガラス質の物はあったんですね。

≪参考資料≫
海外版ウィキペディア

随分と長いブログになってしまいましたがいかがでしたでしょうか?
少しでも多くの皆様にガラスの事を知り興味を持って頂き、あわよくば好きになってもらえる事を願っております。
今後も弊社の商品の事だけでなく、ガラスやグラスについて私なりに色々調べた事をこのブログで発信していきたいと思っております。